「カーライル」鈴木貴博著を机上に置いてた斜め上に、「読みましたぁ!」と報告して、「おススメ本あれば教えて下さい!」とお願いしたら、勉強になりそうだけど手強そうな本を貸してくれた。
時々、一緒に仕事をさせて頂いているうちに、その情熱の量(高カロリー)とロジックの質に惹かれファンになった斜め上が勧めてくれた本なので、以前、「コトラーのマーケティング・マネジメント -ミレニアム版-」フィリップ・コトラー著でやったように机上での精読をしてみようと思ってます。
で、本書。スゴ本でした。
ウィキで著者をみてみると、鈴木本人は、自らを編集者型のプロデューサーであるとしている。としているし、これも「編集」関連本といえますね。
構成は以下のとおり
1.「仕事は公私混同/まかせた以上は全部まかせる」
「アニメージュ」創刊のころ
2.「つきあう以上、教養を共有したい」
高畑勲・宮崎駿との出会い
3.「一番大事なのは監督の味方になること」
「風の谷のナウシカ」そしてスタジオジブリ設立
4.「企画は半径3メートル以内にいっぱい転がっている」
宮崎駿の映画作法
5.「みんなで坂を転げ落ちるのが映画づくりだ」
高畑勲の論理と実践
6.「人間、重いものを背負って生きていくもんだ」
徳間康快の生き方
7.「いいものを作るには小さい会社のほうがいい」
「町工場」としてのジブリ
トトロでは、当初、冒頭からトトロが大活躍というストーリーだったという話等、ジブリ映画ファンは興味を持たざるを得ない内容が盛りだくさんでそれだけでスゴ本なのですが、私には、仕事のスタイルという点でも、スゴ本でした。
以下にガツンときた文章をいくつか引用してみました。
引用して気付いたのは、レベルの差はあれ、著者が自分と似たタイプであること。
プロデューサーという立場からすれば、どんな宣伝コピーを作ってきたかとか、どんな条件でタイアップしたとか、前例がどうであったかとか、みな重要なことです。でもそんなことはふだんは忘れてしまっていい。必要があれば人に聞く。あるいは当時の資料を見たりする。それで思い出すべきことは思い出せますから。
ツールがあるものはツールに任してしまえばいいんです。そのために「記録」がある。「記憶」と「記録」は違いますからね。ぼくは人間の記憶容量には限界があると信じていて、それならば、その記憶容量はできるだけ大事なことに当てたい。だから、自分のやったことを記憶するのは必要最小限度にしよう、と思っているんですよ。
来年の手帳、ペン&ノート術の手帳・ノートは自分の脳みその外部メモリのイメージで活用しております。あまりに記憶しないので、困ってる点はあるのですが・・・・。
アニメージュの編集長の尾形さんについて書いた以下の文章
ぼくの一番近くに、天才プロデューサーのお手本がいたのだ。それは火付け強盗の「火付け役」に似ていたが、プロデューサーにはそういう資質が必要だ。
彼が実務が苦手な人だったおかげで、ぼくらはいろんなことを学んだ。なかでも最大のモノは、仕事は公私混同でやる。これにつきる。あとは、この仕事でやってほしいと他人に頼んだら、すべてをまかせる。
う〜ん、この点は、友人達、みな賛成してくれるのでは?おもしろい企画を考え、人を集めるところまでが僕の役割。フットサルも、古い付き合いの仲間達なので、阿吽の呼吸で安心してまかせられる仲間がフォローしてくれるのです。
仕事でも、こういう動きができるよう実績を上げていかなきゃな。
高畑・宮崎の二人との出会いは強烈でした。当然ながら、もっとつきあいたいと思う。そのためには、なんとしても彼らと教養を共有したいと思ったのです。話ができないのでは悔しいですから。
それでまず、取材記者だったという経験を生かして、二人が言ったことは全部「取材ノート」に書きまくった。彼らを深く知るにはそれがたぶん早道だし、それしかないと思ったんです。しゃべっていることをとにかくメモしまくる。しゃべる口調、しゃべり方も大事なことですから、しゃべり言葉のまま書きとめる。けっこう大変でしたよ。宮さんの場合はしゃべるのが速いし、高畑さんは高畑さんでしゃべる時間が長い。必ずいつも三時間なんですから。
別れたあとは必ず喫茶店に入って、このメモをもう1回まとめました。そうすると、抜けているところがあるし、よくわからないところがある。一生懸命思い出して、それを何とか埋める。家に帰ったあと、もう1度、大学ノートに書き写す。つごう3回書くわけですね。
ほとんど毎日会っていたわけですけど、これをずっと続けた。寝る時間が極端に少なくなりましたけど、当時ぼくは30代になったばかりで若かったし、ともかくこれをやらないと、この人たちと五分につきあえないと感じていたんです。
僕も、尊敬している上司等の言葉をメモするようにし、手帳にキーワードを転写したり、考えた事をブログに書くようにしてるんだけど、ここまでやるとは・・・、スゴい。
ちなみに、ぼくはこうした文章を書くときであれ、口頭で説明するときであれ、基本的にはどんどん断言していきます。一応リーダーですから、コミュニケーションで曖昧なところは見せてはいけない。そうでないと、みんな困ってしまいますから。
もともとは優柔不断な人間なんですよ。だから、結論にたどりつくまでには相当悩みます。でも、それはたどりつくまでの悩みなので、たどりついたらそれでいいと割り切る。もう迷わない。何事もそうですが、100パーセント正しいということはふつうありません。比喩的にいえば、90対10だったり、80対20だったりします。それでいえば、究極の二者択一は51対49ですよね。こっちがちょっとよさそうだが自信を持ちきれないというときです。しかもそういうときに限って、比較検討したプロセスを話す余裕がなく、どっちがいいか言わなきゃいけない瞬間だったりするんです。このときも決めてしまえば、100パーセントの自信をもって言う。伝達するにはそうあるべきなんです。ただ、言ってしまった以上、それを実行する力は必要です。
最近、少し出来るようになってきたし、ちょっと楽しくなってきたのがコレ。空気を作りコントロールするための手法ですね。
もっと上手くなりたいのだ。
プロデューサーの仕事で重要なことのひとつは見取り図を書くことです。物事を大きく把握し、進行状況を確かめるために、図で表示する。これはある意味で地図を描くのと同じです。地図は空間把握・時間把握の表現ですからね。
全体像を把握することは得意なのだ。
情報を集めて行くとぼや〜っと浮かび上がって来て、それがどんどん鮮明になっていく感覚があるんだよな。
ごく稀に、サッカーでもこの感覚が生きるのだ。(技術が全く伴わないけど)
ぼくにとって、何が楽しいといって人と付き合うことほど楽しいことはない。好きな人ととことん付き合う、好きな人に囲まれて仕事をする、これは最高じゃないですか。精神衛生上もいいし。宮さんとか高畑さんとか徳間社長とか、こういう人たちに出会っちゃって、いろいろおもしろがっているうちにここまで来ちゃいましたけど、ほかにもたくさん好きな人がいる。
プロデューサーという仕事柄、多くの人と付き合いますが、単なるビジネスというふうには捉えません。会社対会社じゃなくて、人対人なんです。
今日、MIKIO氏ともこんな会話をしたなぁ〜。
学生の頃から、特定の好きな人ととことん付き合うのが好きなんだな。
大勢でワイワイやるより、2〜3人でじっくり飲むのが好きなのだ。
それを発展させて、好きな人達でワイワイやるのはもっと好き。
自分の仕事と志向性が合致していることが確認できたので、個々のスキルを上げて行くことで、好きな人ともっと楽しい事(→実績を上げる事)が出来るのでは?と自信を持てたぞ。
そんな鈴木氏の仕事のやり方は、非常に参考になりました。僕にとってはとってもスゴ本でした。


