2011年06月17日

☆☆☆☆ 「街場の中国論」内田樹著

昨日の飲みでも、話題になった内田先生の著書。
内田先生って、どんな話題でも響く「メッセージ」が書けるってのがスゲェ〜と思うのです。

本書は、先生の専門外の中国論について講義したものをまとめたもの。
この相手の文脈を想像してみるって姿勢から導き出される文章がすごくイイのです。

中国には中国の物語がある。僕たちの眼から見て理不尽なふるまいに見えても、中国人にとっては主観的には合理的なもののはずなのです。どういう文脈の中に置けば、この「意味のわからないふるまい」が合理的なものとして立ち現われてくるか、その文脈を探り当てることがこの本における僕の主要な関心事でした。


構成は以下のとおり
T 街場の中国論
 第1章 尖閣問題・反日デモ・中華思想
 第2章 中国が失いつつあるもの
 第3章 内向き日本で何か問題でも
U 街場の中国論 講義篇
 第1講 チャイナ・リスク―誰が十三億人を統治できるのか?
 第2講 中国の「脱亜入欧」
 第3講 中華思想―ナショナリズムではない自民族中心主義
 第4講 もしもアヘン戦争がなかったら―日中の近代比較
 第5講 文化大革命―無責任な言説を思い出す
 第6講 東西の文化交流―ファンタジーがもたらしたもの
 第7講 中国の環境問題―このままなら破局
 第8講 台湾―重要な外交カードなのに・・・・
 第9講 中国の愛国教育―やっぱり記憶にない 
 第10章 留日学生に見る愛国ナショナリズム―人類館問題をめぐって


本当の中華思想って、国境があいまいで、グレーゾーンが広がるイメージという文脈を理解すると、確かに、中国の一連の反応が、すごくしっくりきた。「どういう文脈に置けば?」という問いの立て方は身につけたい。

この言葉は響いたなぁ〜
真の国力というのは「勝ち続けることを可能にする資源」の多寡で考量するものではない。「負けしろ」を以て考量するのである。
どれほど外交内政上の失策を犯しても、どれほど政治的無策が続いても、それでも法治が継続し、内戦が起こらず、テロリスト集団が形成されず、略奪や犯罪が横行しない「民度的余裕」において、日本は世界最高レベルにある。

ホント、そう思う。

内田先生の本は何を読んでもハズレがない。これからも読み続けていきたいと思う。

街場の中国論増補版

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著者:内田樹
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posted by J at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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