2011年07月27日

☆☆☆☆☆「マエカワはなぜ「跳ぶ」のか」前川正雄著 野中郁次郎監修

久し振りに新たにテーマを設定。しばらく「メーカー」をテーマに固め読みをしようと思ってます。
本書は、その第1弾。野中先生の監修ということで、手に取ったのですが、いきなりスゴ本でした。

本書の構成は以下のとおり
第1章 無競争のビジネスモデルを生物から学ぶ
第2章 マエカワはどうやって「跳ぶ」のか
第3章 マエカワはどうやって「跳ぶ」のか
第4章 「跳ぶ」を可能にする十の要諦
第5章 日本企業本来の生き方に戻れ


マエカワ」とは、こんな会社。
恥ずかしながら、こんな素敵な会社があるなんて、知らなかった・・・・。

本書は、「モノを冷やすこと」から出発した「マエカワ」が、一見、関係なさそうな様々な分野で成功してきた理由について、書かれた本。響く言葉が満載のスゴ本でした。

マエカワでは、あらかじめ「今後、この分野が有望だ」と論理分析的に判断し、そうした分野に人材や資金を投入してきたわけではない。自分たちがいる「場所」をよく見て、職能を超えた社内の仲間はもちろん、顧客、ときには外部の専門家との対話を通じて、新たなニーズをキャッチし、自分たちを変化させてきたのである。

個人的に、賢いコンサルがどうこう言って、逆に企業を迷走させているケースが多いのでは?って、思ってるんだけど、マエカワはそうじゃないんだね。

そもそも、そういう発想は時代遅れなんじゃないかって主張には、共感
20世紀、企業は、ほかの企業と争う戦略を得ようと、競合相手の動向を分析することに多くを費やしていた。ところが、21世紀になると、競合を分析していても、それが何の役にも立たない場合が増えてきた。競合の真似をしてつくる商品では市場が評価しない。競合との価格競争がすぐ起こり利益はなくなってしまう。競合をいくら分析しても、自らの生きる道は見えてこないのだ。競争戦略で21世紀のものづくり企業が生き残れる確率はわずかしかないだろう。競争から自由になることだ。共同体の知恵を使って、競合から離れて生きる場所を見つけるしか、生き残る道はない。
企業独自にそなえている本能を目覚めさせて、場所を跳ぶこと。これこそマエカワの生き方である。共同体の感覚知を伝え合って、環境変化に敏感に気づいて、本能的に自分たちを変化させ、場所を跳ぶこと。数十億年前から、生物が生きつづけるためにとってきた、唯一の方法である。


じゃあ、どうやって跳ぶか
マルチ型人間が共同体を構成し、論理知ではなく感覚知を交換していると、ある日、跳ぶ瞬間がやってくるのだ。

コレ、跳んでいる距離は短いかもしれないけど、いつも上とやっていることだな。「何か気持ち悪い」という感覚を大事にし、議論している。今日も、ずいぶんと跳んだぞ。
こういう議論。
感覚知でつかんだことを検証してまとめていくのは論理知である。論理知が情報のレベルを高め、みなで共有しやすい情報にしてくれる。感覚知で物事の実体をつかんだ後に、論理知の出番が来るというのは、20世紀とは逆になっている。感覚知情報と論理知情報を合体させて、はじめて本物の情報、知恵になる。

うーん、しびれるなぁ。コレだよコレ!!この感覚知を共有してるからこそ、質の高い議論ができるのだ。
チームに必要なのは、少なくとも二、三の専門分野を理解しているマルチ型の人間である。そして、少なくとも数年は互いに仕事を共にした仲であることが望ましい。しかも、専門分野に重なりがあったほうがよい。

今のチームは、全て要件を満たしているな。ドリームチームだ。だから跳べるんだ。

コレもビンビンに響いた。
企業は人間の集団である。その最大の目的は利益を出すことではない。すり合わせを通じて、自分たちの唯一の特徴を出し、それを世に問うて生きつづけていくことこそが最大の目的なのだ。企業が世間に価値を認めてもらう唯一のものは、他社が持っていない自分たちの特徴である。それを明確にするには棲み分けを完成させなければならない。


マエカワの評価の仕方も興味深い。共感できるな。
機械的に人を組織に当てはめることはしない。まずは本人と相談して配属部署を決める。当然、毎期の評価があるが、評価対象は仕事の成果というより、その人の場所性である。しかも、上司だけでなく、部署のメンバーも評価に加わる。
思う存分、力を発揮し、水を得た魚のように働いていたら、「場所性がよい」ということだ。逆の場合は、「場所性が悪い」ということになり、人事によって場所を変える。


と、非常におもしろい一冊でした。さすが、野中先生が監修している本だけあるな。
引き続き、メーカーをテーマにして、いろいろ読み漁ってみよう。

マエカワはなぜ「跳ぶ」のか

マエカワはなぜ「跳ぶ」のか
著者:前川正雄
価格:1,890円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る

posted by J at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/217060197

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。