2012年03月25日

☆☆☆  「ラーメンと愛国」速水健朗著

いくつかの書評ブログでとりあげられていたので、気になり読んでみました。

構成は以下のとおり
第1章 ラーメンとアメリカの小麦戦略
 安藤百福の見た闇市の支那そば屋台
 「都市下層民」の夜食だった戦前の支那そば ほか
第2章 T型フォードとチキンラーメン
 技術より生産力が決め手になった太平洋戦争
 日本人の兵器観にみる「一点もの至上主義」 ほか
第3章 ラーメンと日本人のノスタルジー
 『渡鬼』の五月(泉ピン子)はなぜラーメン屋に嫁いだのか
 小島家の家庭内騒動の背後にある価値観の相違 ほか
第4章 国土開発とご当地ラーメン
 ご当地ラーメンは郷土料理ではない
 田中角栄を軸にした中央と地方のシーソーゲーム ほか
第5章 ラーメンとナショナリズム
 メディアを通して体験された湾岸戦争
 軍事行動のアウトソーシングも湾岸戦争から ほか


むちゃくちゃ高い視点から、ドーンとラーメンに話をもっていく振り幅が面白い。
特に気に行ったのはコレ。
我々は、ラーメンという共通の食文化を持つ民族であり、ラーメンを愛する同じ日本人であるという共通の意識を持っている。つまり、チキンラーメンのCMによって「ラーメン」という「共通語」「国語」が生まれて以降、日本人はラーメンを通して国民意識を形成しているのだ。(中略)
固有の土地に根ざしたご当地ラーメンが存在する。そんなラーメン列島の地図すら見えてくる。これを、アンダーソン風にネーミングするなら、「味覚の共同体」とでも言ったところだろうか。

チキンラーメンにより「ラーメン」が根付いた時期に沖縄は返還前。なので、「沖縄そば」はラーメンにならなかったらしい。「共同体」に入らなかったんだね。

ご当地ラーメンに関しては、この記述も毒があって面白い。
近代になって輸入されたラーメンは、在来種を駆逐する外来種のブラックバスにたとえるべきではないだろうか。繁殖力の強い外来種であるラーメンは、古来地方に根付いてきた郷土料理を、短い期間で駆逐してしまった。

郷土料理も、ご当地ラーメンも好きだけど・・・。ブラックバスに喩えるとは・・・。

他にない個性的な読み味でした。

ラーメンと愛国

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posted by J at 15:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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