2012年12月01日

☆☆☆☆☆「続・悩む力」姜尚中著

久し振りに本を読みました。
読んだのは、話題になった「悩む力」の続編である本書。

構成は以下のとおり
【序 章】「幸福論」の終わり
「非常事態」を生きる/お金、愛情、健康、老後/幸福の合格基準/「平凡な幸せ」が「特権」に
【第一章】 漱石とウェーバーに何を学ぶか
先駆者たち/ 平成のお延代助/「精神のない専門人」と「心情のない享楽人」/神も仏もねえべ/「貴族の幸せ」と「自由競争の幸せ」/貧しき者は幸いなるかな/もうアヘンはきかない
【第二章】 どうしてこんなに孤独なのか
すべて自意識の悲劇/「一等国」イギリスの不幸/自由の「淋しみ」/ウィリアム・ジェイムズ/ヴィクトール・フランクル/「悩む人」は現象学的?/門の下に立ち竦む
【第三章】 五つの「悩みのタネ」とは何か
夢も希望もない?/ 模範となるべき者は一人もなし/「お金」-悩みのタネ(1)/「愛」-悩みのタネ(2)/「家族」-悩みのタネ(3)/「自我の突出」-悩みのタネ(4)/「世界への絶望」-悩みのタネ(5)
【第四章】 漱石の予言は当たったか
逸脱資本主義/匿名の群衆/直接アクセス型社会/公共領域の消失/柔らかい全体主義
【第五章】 ホンモノはどこにあるか
ベスト・ワンではなくオンリー・ワン/「自己啓発」の文化/一九〇〇年のホンモノ探し/一九六八年のホンモノ探し/二〇一二年のホンモノ探し/己を忘るるべし
【第六章】 私たちはやり直せるか
敗戦のときより憂鬱/すこしも役には立ちませんてな/心やさしい科学の子/それぞれの二度生まれ/鳶色の空気の奥にも
【第七章】 神は妄想であるか
人生なんて無意味か?/信じられるものを求めて/無宗教&無党派/神は妄想であるか?/帰る家がない!/個人的な共鳴/「まじめ」に共鳴する
【第八章】 生きる根拠を見出せるか
運命は受け入れよ、人為は乗り越えよ/三つのおかしな商品/「予言者」シューマッハー/小さいものは美しい/人間の「生き作り」/吾輩は過去である/かけがえのないあなた
【終 章】 それが最後の一日でも、幸せは必ず掴み取れる
人間の三つの価値/イワン・イリイチの死/「何をやるか」より「どうやるか」/愛は丸ごと受け入れよ/人生が投げかける「問い」に応える/病気は継続中である/巨人たちの背中を見よ


最近、もやもやと考えていた事を、しっかりと受け止め整理してくれたスゴ本でした。

特に響いたのは「態度」について書かれてた以下の文章。
「3・11」でも、いかんともしがたい状況のなかで人の心を最も打ったのは、アクティブな活動よりも雄弁な言葉よりも、ただ祈り、運命を引き受ける「態度」だったと思います。
なぜなら「創造」や「体験」は、世の中が平常で、元気なときでなければ実現されることはありません。しかし、「態度」は、健やかなときも病めるときも、いついかなるときでも、想いさえあれば発揮することができるのです。
逆にいえば、だからこそ常に、真価が問われるものでもあります。(略)
態度による価値とは、この社会で日常的に問題にされている、成功か失敗か、効率か非効率か、有効か無効かといったものの彼岸にあり、また、資本主義社会の生産や交換価値とは対極の位置を占めているものです。

世界というものを、自分の力及ばざる「超意味」の存在として認識しつつ、なおかつそのなかで、自分の問われている役割について、一つ一つ責任をもって決断していくことです。これが「態度」ということであり、運命を唯々諾々と受け入れることではないのです。


特に、この「私たちが個人として生きていく場合の『態度』」を説明したこの文章は大事にしたい。
よい未来を求めていくというよりも、よい過去を積み重ねていく気持ちで生きていくこと。恐れる必要もなくひるむ必要もなく、ありのまま身の丈でよいということ。いまが苦しくてたまらなくて、つまらない人生だと思えても、いよいよ人生が終焉する一秒前まで、よい人生に転じる可能性があること。何もアクティブなことができなくても、何も創造できなくても、いまそこにいるだけで、あなたは十分あなたらしいということ。だからくたくたになるまで自分を探す必要などないということ。そして心が命じることを淡々と積み重ねてやっていれば、あとで振り返ったときには、おのずと十分に幸福な人生が達成されているはずだということ・・・・。


読書がある生活に戻さなきゃな・・・・。
posted by J at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本人論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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