2008年03月30日

「芸術起業論」村上隆著

お勧め度晴れ晴れ晴れ

すげぇ〜本です。何も日曜のこの時間に読まなくても・・・、と途中で思いましたが、一気読み。

芸術のなかでも、文学・音楽・映画・写真に対する感性はあるかなと思っているのですが、いわゆる美術ってのがダメダメ・・・。名のある絵画の前に立っても、「あっ、これ見たことある」以上!って感じなのです。
無理くり理解しようと頑張ってみても、ダメ・・・。

なので、村上隆氏の何がスゴいのか、よ〜わからんのですが、本書を読んで、彼の戦略的思考とアートの俗っぽさが彼の凄みを伴って理解できました。(村上氏の作品の良さはわからんままだけど・・・)

構成は、以下の通り
1.芸術で起業するということ
2.芸術には開国が必要である
3.芸術の価値を生みだす訓練
4.才能を限界まで引きだす方法


大きく2つ得たものがありました。

まずは、美術の見方について

美術の世界の価値を
「その世界から、歴史が展開するかどうか」で決まります。
とし、世界で通用するためには、既存の文脈を理解し、これを壊すこと(革命)が必要としております。
そして、単なる「絵が上手」というのは、革命ではないと・・。

「おぉ〜っ」と思いました。文脈を理解しないと名作と呼ばれる作品の良さは理解できないわけで、当然、美術史を全く勉強してない僕には、全く理解出来ないのです。純粋に表現に感動し、「鳥肌」がたつ音楽等とは違う感動を伴うものなのかも知れません・・・。


そして、もう一つは、村上氏の戦略的思考

ぼくがアート業界で生き残れている理由は「業界の構造」にものすごく興味があるからです。客観的に業界を分析することに関しては、徹底してます。
と言い切ってしまう彼の姿勢と割り切りは、ものすごいと感じました。
美術に対する明確なスタンスがあるわけです。単に「美しいもの」を追求するというのが日本的な考え方だと思うのですが、彼は、「革命」の前提となる「文脈」の理解を深めることに重要性を見出したのですね。

そして、
欧米の壁を怖れず、芸術のワクを大きく考えて、物事の核心部分から変えてゆく。
日本のサブカル的な芸術の文脈をルール内で構築し直し、認めさせる。
これが欧米の美術の世界で生き残るためのぼくの戦略でした。

浮世絵、マンガ、アニメ、ゲームというサブカルをアートのど真ん中にただ放り込んだだけでなく、文脈を構築したことで認めさせるという戦略は、あまりに突飛ではありますが、「浮世絵」という前例があるわけです。
余談ですが、私、美術のなかでも、浮世絵に対しては例外的に興味があるのです・・・。何故だろう?って思っていたのですが、これを読んで、市民に根ざしていたサブカルだったからかもしれないなと思ったです。

芸術の世界だけではなく、どの業界にもどの分野にも特有の文脈がありますが、「文脈の歴史のひきだしを開けたり閉めたりすること」が、価値や流行を生み出します。
ひきだしを知らないまま自由自在に何かができるということは錯覚や誤解に過ぎません。

とし、文脈を読み取る重要性を繰り返し述べております。
これって、あざとく思ってしまうのですが、何かを達成しようと思うと、すごく重要なことなのですね・・・。

文脈(コンテクスト)を読む重要性については、よく上司から注意されます。あざとく思っていたのですが、ここ最近は、考え直さなければいけないかな?と思っていた矢先でした。

アートの世界で文脈は無縁だと思っていただけに、すごく異物感が残る本でした。アートが理解できる人、出来ない人、理解したふりをしてる人、理解したと思っている人等々、多くの人に読んで欲しい一冊です。

こんなの書いて、批判されるのわかっているだろうに、確信犯ですよね。そういう意味でも、すげぇ本です。







posted by J at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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